「よい親」よりも「ご機嫌な親」へ。不登校の親のための心のコンパス講座を開催しました
2026年9月から10月にかけて、Bumpy主催の「不登校の親のための心のコンパス講座 ~よい親よりもご機嫌な親へ~」が全4回の日程を終えました。
本講座は、水脈が後援した取り組みです。
講師には、社会福祉士・民間団体認定コーチをお迎えしました。会場での参加に加え、Zoomやアーカイブ視聴にも対応し、それぞれの事情に合わせて参加できる形で実施しました。

子どものことだけでなく、自分自身に目を向ける時間を
不登校の子どもを支える保護者は、日々、子どもの様子や学校との関係、家庭での過ごし方など、さまざまなことに気を配っています。
子どものために何ができるのか。どう接すればよいのか。そんなふうに考え続けるうちに、自分自身の気持ちや希望について考える時間は、どうしても後回しになりがちです。
今回の講座では、子どもへの具体的な対応方法を考えるだけではなく、保護者自身が自分の気持ちや価値観を振り返り、自分自身に目を向けることを大切にしました。
全4回のテーマは、次のとおりです。
第1回「良い親ってなんだろう? ご機嫌な親ってなんだろう?」
第2回「過去の私、未来の私を見つめる」
第3回「自分と周りを見つめてみよう」
第4回「自分の取説を作ってみよう」
各回では、講師のお話を聞くだけでなく、自分の考えや気持ちを書き出すワークや、参加者同士のグループワーク・交流を行いました。
書くことで、自分を少し離れたところから見つめる
参加者からは、次のような感想が寄せられました。
書くことによる表現と整理で、俯瞰してみることができることがよかった。
また、
日々、子どもや家庭のことに意識が向きやすい中で、自分自身について考え、書き出す時間を確保できたことがよかった。
という声もありました。
頭の中で考え続けていることも、実際に言葉にして書いてみると、少し違った角度から眺められることがあります。
自分は何を感じているのか。何を大切にしたいのか。どんなときに無理をしてしまうのか。
子どもや家庭のことから少し離れ、自分自身について考える時間は、普段の生活の中では意識してつくらなければ、なかなか確保できないものなのかもしれません。
また、オンライン参加やアーカイブ視聴など、参加方法について細やかに対応したことも、参加のしやすさにつながったようです。
4回を通じて、少しずつ和やかな場に
主催者として特に印象に残ったのは、講座を重ねる中での場の雰囲気の変化でした。
そして最終回。講座を終える頃には、場が和やかな雰囲気に包まれ、参加者の皆さんの表情が明るくなっていたことが印象に残っています。
もちろん、4回の講座だけで、参加者の気持ちや家庭の状況が大きく変わったと簡単に言い切ることはできません。
それでも、子どものことを考え続ける日常から少し離れ、自分自身を見つめ、言葉にし、ほかの参加者と共有する。そうした時間をともに過ごせたことには、大きな意味があったと感じています。
「子どもの問題に対応する親」から、一人の人としての自分へ
不登校の子どもを支える場では、どうしても子ども自身の状態や、学校への対応、家庭での接し方などが話題の中心になりやすくなります。
もちろん、子どもへの理解や具体的な支援は欠かせません。
一方で、保護者自身もまた、迷ったり、疲れたり、自分のこれからについて考えたりする一人の人です。
子どもを支えるために、親がいつも正しく、落ち着いて、適切に対応しなければならないとしたら、その負担はどれほど大きなものになるでしょうか。
今回の講座では、あえて不登校そのものを話題の中心に据え続けず、親自身の過去や未来、自分と周囲との関係、自分の特徴などを見つめる構成としました。
それは、子どもの問題を軽く考えるためではありません。
子どもを支える保護者自身にも、自分の気持ちを大切にし、自分らしく過ごす時間が必要だと考えたからです。
「よい親」であろうと頑張ることだけではなく、自分自身が心地よくいられることにも目を向けてみる。
今回の講座は、そんな視点に触れる機会になったのではないかと思います。
家族が孤立せず、自分自身も大切にできる地域へ
水脈は、不登校の子どもとその家族が孤立せず、地域の中で人や支援とつながることのできる環境づくりを大切にしています。
子どもへの支援はもちろん重要です。しかし、子どもを支える家族が自分自身を振り返り、安心して気持ちを言葉にできる場も、地域に必要なものの一つではないでしょうか。
今回の「心のコンパス講座」は、保護者が子どものことだけでなく、自分自身にも目を向ける時間の大切さを、改めて感じさせてくれる取り組みとなりました。
主催されたBumpyの皆さん、講師の白井ゆかさん、そして参加された皆さんに感謝申し上げます。
水脈はこれからも、子どもと家族を取り巻く人や地域とのつながりを大切にしながら、一人ひとりが安心して過ごせる環境づくりに取り組んでいきます。
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